神奈川大学 横浜蒼碧法律会 公式ブログ

横浜蒼碧法律会(蒼法会)は法学部生の学修のサポートを目的に活動している神奈川大学公認の学術系部活です。創部21年目に突入。

【第7回】共通教養科目履修のすゝめ(法学部新入生向け・共通教養科目と専攻科目のバランスについて)

教務課からのメール

今回の(履修抽選科目)の結果をみて、共通教養科目を5科目以上応募している学生さんが多数いました。もう一度、各学科ガイダンスの履修モデル等を確認してみてください。学科によって異なりますが、通常は共通教養科目が3~4科目(FYS、必修の英語は除く)、専攻科目が6~7科目受けるモデルが多いです。

「【神奈川大学履修登録時の注意について」というタイトルの、このような内容のメールが教務課から届いた方がいらっしゃるそうですね(教えてくださった方ありがとうございます)。
おかげで弊会の質問箱は同様の問い合わせでいっぱいとなっています...。心配になる気持ちはとてもわかります。

ただ、結論から申し上げますと、法学部新入生にはあまり関係のないことです。その理由を今回は解説していきます。

1年前期は共通教養科目の履修を勧める理由① ~履修課程表の観点から~

今回のブログは、みなさんが卒業要件の仕組みを理解しているものと仮定して話を進めます

souhoukai1999.hatenablog.com

(↑ わからない方は弊会の第4回ブログを参照してください。)

f:id:Souhoukai1999:20200412213707p:plain

これは法律学科法律職コースの履修課程表です。1年前期の内容はどのコースでも差異がないため、コースはまだ意識する必要はありませんが、例えが伝わりやすいように専攻科目で肝要となるA群科目の選択の幅(≒自由度)が少ない法律職コースの表をあえて使って説明していきます。

さて、法律職といえば一般には法曹を指しますよね?(圧)
極端な例にはなりますが、仮に、法曹志望の子が法律職コースで履修していくとします。ご存知司法試験には法律基本7科目(憲法行政法民法・商法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法)が出題されます。
よって、既存の要受講科目に加えて、これらの科目すべてを大学で履修したとすると、フル単という仮定にはなりますが、少なくとも卒業時までに以下のようになります。

A群科目...40単位(要受講科目「民事法入門」「現代社会と法」含む)
B群科目...16単位(要受講科目「法学部入門演習」「政治学入門」含む)

法律学科卒業要件〕3項(3)のルールに則れば、A群科目28単位の「卒業要件単位数」を超えた分はB群科目に算入できる(B群科目でも超えた場合はC群科目に算入できる)ため、余剰分12単位がB群科目単位としてカウントされ、実際にはB群科目も28単位分が埋まります。

この過程は、あくまで最低限の科目数での計算です。最低限でさえ、A群科目およびB群科目の卒業要件単位数を満たすことができる計算になるのです。
実際には、法曹志望者であれば他の科目(例えば「民事執行・保全法」や「民法論点研究」、「法学部ゼミナール」など)も履修するでしょうから、さらにB群科目やC群科目の取得単位数は増え、当然その分が増えることになります。
また、他コース選択者はA群科目の自由度が高い(企業法務コースは46単位分、現代社会コースは50単位分が用意されている)ため、法律職コース以上に余剰分が増えることになってきます。
さらに、履修課程表を見てもらえば分かる通り、B群科目やC群科目の中心は少なくとも2年生以降になってきます。よく、卒業要件を気にして1年前期で無理やり大して興味もないC群科目を履修する方がいらっしゃいますが、そんなことはせずとも、前述のように法学部らしい(?)講義を履修していけば、自然と卒業要件を満たせる仕組みになっているのです。

ただ、残念ながら、法学部に入学したものの、A群科目に配当されている科目にさほど興味が持てないなどの理由で、それらの人には負担が大きいが単位数も多い「民法基礎A/B/C(各4単位)」などを履修しない人たちがいます。事実、そういった方は専攻科目の卒業要件単位数がギリギリになってしまっています。ゆえに、後々の話にはなりますが、卒業要件の観点からも、法学部としての履修上の観点からも、各A群科目の継続的な履修を強くオススメします。
(また、前述のような方からの「先輩からのアドバイス」を鵜呑みにすることは危険であるともお伝えしておきます。)

1年前期は共通教養科目の履修を勧める理由② ~履修抽選科目の観点から~

先日、履修制限科目応募期間(1次)の抽選結果が出ました。各々が様々な理由で各科目を希望し、抽選に応募したかと思いますが、やはり人気は集中する、という印象を持たれたのではないでしょうか。今期はオンライン授業であり人数の上限が引き上げられたものも多かったのに、です。
法学部生として入学した以上は専攻科目の勉強を楽しみにしている方も多いでしょうから、いわば専門外ともいえる共通教養科目の卒業要件を満たすことは、後々なかなかにネックとなってきます。
そうした事情があるのにも関わらず、共通教養科目のほとんどは履修抽選科目(人数に制限のある科目)となっています。結局は「好きこそものの上手なれ」ですから、どうせ勉強するならば興味のある科目を履修したいものです。

ですから、抽選を伴う共通教養科目は、早い段階から履修を考えて抽選に応募していくことをオススメします
仮に1年前期で抽選に落ちてしまってもまだとることのできるチャンスは十分に残されていますが、極端な話それが4年後期であればどうでしょうか。卒業に関わってきますので、興味とか言っている場合ではなくなってしまいますよね。

さらに、①で述べた「専攻科目の中心は2年生以降」ということを裏返せば、「2年生以降は共通教養科目をとっている余裕がなくなる」とも言えます。
配当されている専攻科目が一番少ないのは1年前期であるため、人気度にかかわらずより興味のある履修抽選科目に応募していく余裕があるのも、やはり1年前期になってきます。

噂では、「卒業が迫った上級生ほそ履修抽選科目が通りやすい」という説がありますが、これはデマである可能性が強く、現時点では公式見解としてそのようなシステムは存在しません。念のため。

まとめ

①2年生以降は専攻科目で時間割が埋まってしまう
②履修抽選科目には早い段階から応募していくべき

以上、主に二つの理由から、法学部生の1年前期は共通教養科目を中心に履修していくことをオススメします。
もちろん、教務課からのメールは学内全体に向けてのことでしょうから、今回のブログは決して大学当局の喚起そのものを否定するものではありません。
あくまで、必ずしも法学部生には当てはまらないんだよ、という程度の主張にとどめておきます。

わからないところは、このブログのコメント欄か、蒼法会Twitter、質問箱などからどうぞ。オンラインを活用した活動についてもTwitterを中心に発信していきます。

twitter.com

peing.net

みなさんもどうぞ流行り病にはお気を付けて。
それではまた近いうちにお会いしましょう。


P.S. 弊会も神大オンライン新歓に参加させていただきます。なお、タイムスケジュール等に関しては後日Twitter上でお知らせします。


P.S.のP.S. 先日は多くの方々に蒼法会ラジオに来ていただき、ありがとうございました。機会があればまたやります。