神奈川大学 横浜蒼碧法律会 公式ブログ

横浜蒼碧法律会(蒼法会)は法学部生の学修のサポートを目的に活動している神奈川大学公認の学術系部活です。創部21年目に突入。

【第4回】神大生のあなたが卒業するために(法学部新入生向け・履修要覧の見方)

法学部生のみなさん、おひさしぶりです。
新入生のみなさんは入学おめでとうございます。

ご存知の通り、現在世界規模で疫病が大流行しており、その影響によって弊学は前期をオンライン授業とする方針を採りました。
平常時であれば大学側からアナウンスがあり、様々なガイダンスを通して新入生に学修の流れを教えていくと思うのですが、現実それが難しい状況ですので
弊会ブログでは少しずつオンライン上でそれに近しいことをしていきたいと思います。

履修要覧の見方

弊学の某理系教授が「履修要覧の読み方もわからないようでは大学の講義はもっとわからない」とツイートして話題になっていますね。
筆者からすればそれをこの状況で発言することの意味のほうがわからないのですが。

ま、そんなことはさておき、弊会は曲がりなりにも法学部生の学修のサポートを活動目的に謳う学術系課外活動団体ですから、新入生のみなさんが卒業要件の意味を捉え間違えて4年後に後悔することのないよう、精一杯わかりやすく解説していきたいと思います。
大して単位も落としてないのに卒業要件を満たせなかったばっかりにもう一年遊べるドン!になってしまう人の話、意外と珍しくないので...。

さあ、卒業要件ミスの恐ろしさがわかったあなた、まずは履修要覧を開きましょう。ここに、あなたが大学を無事卒業するための様々な条件が記載されています。

ku-syllabus.kanagawa-u.ac.jp

大学では、授業(=講義)を取ることを「履修する」といいます。そして、その履修した授業を無事に合格すると、あなたに「単位」というものが付与されます。この単位を決められた数取り終えると、無事に卒業できる(=卒業要件を満たす)という仕組みになっています。

f:id:Souhoukai1999:20200412193223p:plain
履修要覧「専攻科目」法律職コースより抜粋

この表(〔法律学科卒業要件〕のところ)を使って解説するのが一番わかりやすいと思いますので、まずはご覧ください。

さあ文系殺しの数字の羅列登場!
でもご安心ください。見方さえわかってしまえばこれだってどうってことありません。

法律学科卒業要件〕という部分を使って解説していきます。
まずはいちばん右の「合計」という部分を見てください。132と書いてあるのがわかりますか?
これは法学部が卒業までにとらなくてはならない単位数の合計です。つまり、法学部生は数にして132単位分の授業に合格すれば卒業できる、というわけです。
しかしながら、ただ132単位とればいいというわけではありません。「合計」より左の部分には、いろいろなジャンルからまんべんなく単位をとってね、というその条件としての単位の数が書いてあるのです。

え、132単位もとらなきゃ卒業できないの!?

132、とんでもない数だな~と思ったそこのあなた。ご安心ください。大抵の授業(1週間に1コマのもの)は、合格すれば2単位分くれます
つまり平均すると66コマとれば132単位です。

大学は前期と後期に分かれており、履修要覧の履修要件には「各セメスターにおいて履修登録できる単位数は、22単位以内とする」とあります。
「セメスター」とは半期分のことですから、上限いっぱいの授業数を登録して、全部に合格したと仮定すれば、前後期合わせて44単位とれる計算になります。
これを3年生まで地道に続けていけば、44×3=132と、4年生になる前にはもう卒業要件を満たしている状況にもっていくことができるのです。  

これなら、授業を気にすることなく安心して就活だったり公務員試験の勉強だったり、大学院進学の準備だったりができますよね。

さて、表の説明に戻ります。次に目に入ってくるのは共通教養科目専攻科目の文字だと思います。ここを見ていきましょう。

共通教養科目って?

まずは共通教養科目についてですが、これはざっくり言えば「大学生として学ぶべき科目」というジャンルになります。たとえば、外国語であるとか、心理学や生物学であるとか、一見すると「法律に関係なくない?wowwow」な授業たちがこれらに分類されます。でも彼らは卒業に必要な子たちです。社会に出た時に必要な最低限の知識になりますからね。

ここの「共通教養科目合計」を見てください。32とあります。ゆえに、132単位中32単位はこの共通教養科目で満たさなくてはなりません

f:id:Souhoukai1999:20200412204400p:plain
共通教養科目の分類

・初年次ゼミナール(2単位)

これはFYS(First Year Seminar・2単位)を指しています。1年生の前期で必修科目となっているものです。
法学部1年生で唯一、この授業に合格しないと進級できません。社会一般常識に逸脱することをしなければ基本的に単位はくれます。

・外国語科目(8単位)

法学部では外国語、とりわけクラス別の英語が必修科目となっており、自動的に履修登録される仕組みとなっています。
まず1年生前期では「英語Ⅰ(Listening)」(1単位)と「英語Ⅰ(Speaking)」(1単位)をとることになります。残念ながら、英語は1コマで1単位しかくれません
後期でも2コマ2単位とることになり、これが2年生の後期まで必修科目として続きます。
よって(1単位+1単位)×4期分=8単位となり、無事に必修英語のみで外国語科目8単位分を取り終えることができるわけです。

※法学部に第二外国語はありませんが、まれにこれを自ら履修する猛者もいます。

・人文/社会/自然/人間形成の分野(14単位)

心理学は人文の分野、生物学は自然の分野といったように、よく"パンキョー"と呼ばれる共通基盤科目はジャンルごとに分野が分かれています。
みなさんが得意な分野だけ取りまくるといったことのないように、人文/社会/自然はそれぞれの分野から4単位ずつ、人間形成の分野は2単位をとるように決められています。 ここで、4単位×3分野 + 2単位=14単位分が埋まります。

・共通テーマ科目(2単位)

現代社会と市民」から好きなテーマを一つ選び、卒業までに2単位分とる必要があります。(つまり、1コマとって合格すればOKです。)

・この下の「6」ってなに?

いままでの初年次ゼミナールから共通テーマ科目までを合計すると、2+8+14+2=26単位分になります。ここで共通教養科目の合計を思い出してください。32単位と決められていましたよね。つまり、残りの6単位分は教養基礎演習~共通テーマ科目の部分から自由に6単位分選んで履修する必要があります。

これを卒業までに満たせば、共通教養科目の32単位分は無事に埋まるというわけです。

さて、お次は専攻科目の部分に移っていきます。

専攻科目って?

次に専攻科目です。これは「法学部生として学ぶべき科目」な子たちが属しています。ここを勉強したくてみなさん法学部に入ってきたのではないでしょうか。まあ現実は辛く厳しいのですが。
表の専攻科目合計の部分をご覧ください。ワーオ、86単位もとらなくてはならないようです。

この下の「AとかCとかはなに?」と思った人も多いのではないでしょうか。キスとかそういうのではないですよ。あっ古いか

f:id:Souhoukai1999:20200412211625p:plain
専攻科目授業の重要度

ざっくり言えば、A~Cは授業の重要度を表しています。はっきりと言ってしまえば、Aがいちばん大切なものになります。憲法とかね。

ただし、1年生前期のみなさんがこれらを気にする必要はさほどありません。なぜなら、みなさんが取れるA群の授業は要受講科目(不合格でも卒業に影響しないが履修登録する必要のある科目)であることがほとんどだからです。
さらに言えば、1年前期に履修できるB群科目もありません。よって、これらを考える必要があるのは、コース選択などを視野に入れていく1年後期以降となります。

f:id:Souhoukai1999:20200412213707p:plain
法律職コースより抜粋

ちなみに、最重要となるA群28単位分を取り終えてオーバーした分はB群としてカウントされます。そのB群28単位分さえもオーバーした分はC群30単位分の中にカウントされます。 (ただし、A→B→Cはあっても、その逆はありません。)

自由選択科目(14単位)って?

ここは、なんでもいいです。なんでもいいから14単位分とってください。共通基盤科目でも専攻科目でもなんでもありです。
ただ、ここは共通教養科目だったり専攻科目だったり各要件からオーバーした分が行き着く先になりますので、ここを考えるのはだいぶ先になります。せっかく授業をとって単位をゲットしても、卒業要件にカウントされなくてはもったいないですからね。

次回予告と宣伝

以上のものをすべて取ることができれば、卒業要件を満たすことができ、晴れて卒業となります。
共通教養科目合計32単位 + 専攻科目合計86単位 + 自由選択科目14単位 = 卒業要件132単位
こういった感じですね。

大学での学修はあなたの想像以上に難しいです。順調に必要単位数を3年生で取り終える人の方が少数派ですから。
「入学して、コロナのせいでまだキャンパスライフも始まってないのに、いきなり卒業の話?」と思われたかもしれませんが、余裕をぶっかまして4年後に後悔することのないように(繰り返しの戒め)、早い段階から卒業要件については考えておきましょう。

わからないところは、このブログのコメント欄か、蒼法会Twitter、質問箱などからどうぞ。オンラインを活用した活動についてもTwitterを中心に発信していきます。

twitter.com

peing.net

次回は、実際に具体的な「時間割の組み方」について解説していきます。お楽しみに!